2008年08月09日 東京都

東京ネブト山間部草の根大作戦  -第三弾-  御神木からネブトを学ぶ   <かー>


【再度東京ネブト御神木へ】

千葉ネブトの探索のどん詰まりから突然始まった東京ネブト探索。

前回、御神木の樹液が既にかれかけていたので、もしかしたら今期はこの御神木も終了になるか?

と思い、再度東京ネブトの御神木へ足を運んだ。


【そこに御神木があるから登る】

御神木までかなり長い道のりを登山するのだが、今回で既に3回目。千葉探索を含めると、6回目となり

登山に慣れたせいか、山登りが快感にさえ感じるようになった。登山家の気持ちがわかるような気がする。

ある有名な登山家は ”そこに山があるから登る”と・・・・・・

少し違うが、私の場合は ”そこに御神木があるから登る”である。

周りの木々を見る余裕もでき、いつの間にか目指す御神木に到着した。


【御神木の状態】

早速、小さな洞を確かめると・・・・・・・・・・・・・・・えっ・・やっぱりいない。

樹液が湿った程度にしか出ていない。あれだけ満々とあふれるように出ていた樹液の出がとまっていた。

どうもこの針葉樹(ツガかモミと思うが・・・・)も樹液を沢山出す期間があるようだ。

洞の周りを探してみる。洞より30cmほど下に小さな樹皮めくれが数ヶ所あった。

この樹皮めくれを確認すると・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いた! ♂の顎が見えた!

ピンセットで難なくつまみ出した。

大歯型♂26mm


おーーーーーーーー♂の大歯型は、やっぱりカッコイイ!

このネブトは、樹液が出るのを待っていたのだろうか?それとも

♀の飛来をまっていたのだろうか?

樹液の出は少ないが、洞の中はまだ樹液が残っているのだが・・・・・

更に、他の樹皮めくれ、樹の根元をまんべんなく探したが、追加はなかった。


【ネブトは何処から来るのか?】

今日の♂をいれて、この御神木で7頭目。ネブトのライフサイクルから考えて、御神木の近くに、朽ちた発生木が

あるはずだ


御神木の周りで発生木を探してみた。しかし、今まで見てきた赤松の朽木などない。では針葉樹系の朽木であれば

樹種を問わず、どれでも良いのか・・・・・・そんなことはないだろう。多分、モミ、ツガ系だと考える。

杉にネブトがいたなど聞いた事がない。そこで、モミやツガらしき朽木を探すが、そんな大木の朽木など

近くには見当たらない。何処にいるのだろうか?

ここは、山の急斜面なので、谷側の何処かにモミやツガの大木の朽木があり、それが 発生木となっている

と考えるしかないだろう。

しかし、谷側をみても視野の範囲内には見当たらない・・・・・・・・・ではどこから来るのか?

現場の状況から見て、色々推測してみると、こんな感じではないだろうか!

ネブトはかなりの距離を飛行してくる。

何処かしらにある発生木から、♀が御神木に飛来する。

その♀の臭いをかぎつけ、♂が飛来してくる。

こんな感じだろうか・・・・・・・・・・・。

今回GETした♂は、実は前回来た時に、既にこの御神木に居たのだろう。

そう考えると、ここでシーズンオフに朽木割りでネブトを出す事は、

大変困難な事である。なぜならば、人が通れる場所には、居そうな朽木などないからである。

御神木の枯れた部分で発生する事も考えられるが、この御神木は幹がしっかりしていて

朽ちている部分など、全くないのである。

東京ネブトの材割はここの生息範囲では、無理に近い事が分かった。

東京ネブトに会いたければ、夏である今のシーズンしかない。

今回で3回目となるが、東京ネブトに沢山勉強させてもらった。


【GETした東京ネブトから学ぶこと

3回の採集で8頭のネブトをGETできた。

<第一弾>                                 <第二弾>

<第三弾>


これらを見て、分かる事がある。

大きさの違いである。大歯型、中歯型、小歯型の♂に、大小の♀。

これから推測される事は、発生している朽木は、ベストなものもあれば、そうでないものもありそうだ。

また、大木の朽木だとしたら、ネブトの成長にベストな、土と接触している部分、埋まっている部分、

とそうでない部分がある朽木であろう。

大中小様々な大きさのネブトを見て、発生する朽木はベストなものだけではなさそうである。

決して、東京ネブトも良い環境で生息しているとは言えない。


【千葉ネブトに役立つか?】

東京ネブトの環境は、千葉とは少し違った。

1.標高が千葉よりも更に高い。
2.赤松はない。
3.ほとんど日差しが差し込まない環境。
4.朽木が御神木付近には見当たらない。
5.気温が低い。(日が差し込まない場所の為)
6.樹液付近には、他のクワガタなどはいない。(ネブトのみ)
7.ヒルはいなかった。

改めて見てみると、千葉ネブトを探していた環境とかなり違う。

赤松がない事は考えられなかったし、朽木が御神木の近くにない事も

大きく違った。

この東京ネブトから勉強した事を、千葉ネブトGETに役立てたい。


【結果】

本土ネブト ♂1
カミキリ 1(jrへのお土産)


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2008.07.26.

jr、甲虫集記